6月11日、今回もレース終了直後に開催されたドライバーズ勉強会。
講師を務めたのは、人材育成トレーナーとして27万名もの研修実績を持つアチーブメント 代表取締役社長の青木仁志でした。
「私は、ドライバーとして研鑽を積んできたわけではありませんから皆さんにドライバーとしての技術指導はできません。しかし、私が皆さんにお伝えできることがあります。
それは『人間力をいかにして高めていくか』ということです。人間力とはいったい何か?イメージしてもらうために簡単なワークをやっていきましょう」青木が勉強会の冒頭で行ったのは、ドライバーに対して、いくつもの問いを投げかけていくことでした。
・なぜ、ドライバーを続けているのか?
・5年後、どんなドライバーになっていると思うか?
・5年後、自分が理想のドライバーになっていたとしたら、どんなドライバーか?
・理想のドライバーになっていたとしたら、そうなるまでにどんな努力をしたか?
青木の質問を受け、テキストに自分なりの答えを書いていくドライバー達。
ペンを走らせる音が会場に響き渡ります。
「まず、大切なのは、5年後、10年後の長期的な目標達成を『強く求める』ということ。強く求めることで、努力しなければいけないことが見えてくるはずです。ドライバーとしての理想像が描けたのならそこにたどり着くまでには、ドライビングテクニック以外の要素も必要不可欠であることを感じてもらえたのではないでしょうか?」
ドライビングテクニック以外の要素として、自身のメンタル面や他者との関係性(ファン・チーム・スポンサーとの関係性)を挙げ、これらを総合的に高めていくことが人間力の向上であると、青木は伝えました。
「求める力をもっともっと高めていかなくてはいけないと感じました」
「理想のドライバー像を描けていなかったので、もっと明確にいていきたい」
「人間力をつけて、チームや、スポンサーの方々に『何かをしてあげたい』と思ってもらえるドライバーになりたいと思います。」
アンケートでは、ドライバーのそんな感想が寄せられました。
次回の勉強会では『スポンサーを獲得するための5つの要素』をお伝えする予定です。
6月11日、朝から降りしきっていた雨は、第3戦を前にほぼ小康状態に。
路面は濡れているものの、ほとんどの車両が天気が回復すると読んで晴天時用のタイヤでコースインしてレースがスタートした。
Cクラスではトップ4台が入り乱れて第1コーナーへ進入して行ったが、1番手スタートの安田が首位をキープし、4番手スタートの関口が2位に浮上。
その後に蒲生、山内が続いた。
関口と安田、蒲生と山内がそれぞれバトルを繰り広げる展開となったが、終盤13周目に安田が1コーナーでコースアウト。
これで関口が首位に立ち、そのままトップでチェッカー。
今回F3に初参戦するチームに初勝利をもたらすと共に、自身にとっても嬉しいCクラス初優勝を飾った。
Nクラスでは中山がスタートからトップを守り、これを2番手の千代が追うレース展開。そこに猛追してきたのは4番手から浮上した野尻。スタートから順位をあげ10周目で千代をパスし、中山を追う形となった。 しかし、時すでに遅し。中山は2番手に7秒近いマージンを築いており、そのままフィニッシュ。 F3デビュー3戦目で初優勝を挙げた。
6月12日、曇り空の下、第4戦が行われた。
Cクラスのスタートでは、ほぼ順位の変動はなかったが、中盤に入ると、4番手関口が3番手蒲生を攻め、激しい3位争いを展開。3位を守っていた蒲生だったが、関口の猛攻に耐えきれず15周目に4位に後退。その後は順位の変動はなく、山内が2位、関口3位、蒲生が4位、ブラッドレー5位でフィニッシュ。
Nクラスでは、千代がスタートからトップを守り、Cクラス勢の中で周回を重ねて、2番手に1秒半~2秒のギャップを築く。第3戦に引き続き、スタートから粘り強い追い上げを見せた野尻は15周目で2番手のトンプソンをオーバーテイク。
さらに1番手の千代を猛追するが、千代が最後まで順位を守ってチェッカーフラッグを受けた。
第4戦終了から約4時間後、今週末最後の第5戦がスタートした。
Cクラスでは、1番手の安田、2番手の関口がスタート直後から激しいデッドヒートを繰り広げながら第一コーナーに飛び込んでいく。
しかし、両者がアウトにふくらんだ瞬間に、3番手の蒲生がインを突き、見事トップへの急浮上を果たす。
関口、山内、安田も競り合いながらもトップを追うが、蒲生がここから力強いレースを展開。2番手以降を引き離してそのままフィニッシュした。
Nクラスではスタートで1番手 野尻がポジションを守り、トップをひた走る。それに対し序盤から激しい追い上げを見せたトンプソンが2番手の三浦をパスし、トップの野尻に迫っていく。野尻、トンプソンは、13周目まで順位をキープしながらも激しいバトルを展開。
しかし、トンプソンは終盤にペースを落としてしまう。終わってみれば、1番手は逃げ切った野尻。2番手はトンプソン、3番手は中山との接近戦を制した千代が獲得した。
富士スピードウェイでのレースは幕を閉じた。