8月27日、「チームで勝利を手にするリーダーシップ」と題して第5回ドライバーズ勉強会が開催されました。今回講師を務めたのは、アチーブメント株式会社でコンサルタント兼ファシリテーターとして、大手企業からベンチャー企業まで、多くのクライアントのコンサルティングを担当する高木謙治。
シーズンチャンピオン獲得はドライバー1人の力で成し遂げられるものではありません。チームに在籍する監督、エンジニア、メカニックなどと連携がとれて初めて勝利を勝ち取ることができます。つまり、一致団結できたチームこそが、勝利に最も近いチームと言えるのです。
高木がまずドライバーに問いかけたのは、「リーダーシップ」についてでした。
リーダーシップを『組織の目標達成に向けた、肯定的な影響力』であると定義した上でこのように語りました。
「リーダーシップはチーム監督だけが発揮するものではないはずです。肯定的な影響力は、チームに属している人であれば誰でも発揮できるもの。では、ドライバーである皆さんは、どのような肯定的影響力を発揮できるのでしょうか?」
ドライバー達はテキストに『自分がチームに対して発揮できるリーダーシップ』を思いつく限り書き出していきます。そのワークを行う中で、走ること以外にもチームに良い影響力を発揮できる場面がたくさんあることに気づかされます。
レース前にエンジニアとの打ち合わせを入念に行うこと。
チームの顔としてファンと触れ合うこと。
自分が良い結果を出せなかった時こそ、積極的な姿勢をチームに示すこと。
自分が発揮できるリーダーシップを書き出していきながら、改めて自分が担っている役割の大きさを確認するドライバーたち。
その上で、ドライバーたちはもうひとつのワークを行いました。それは参加者がひとつのチームとなり目標達成に挑む体感型ワークです。はじめはゲーム感覚で楽しんでいたドライバーたちも、回数を重ねる毎に集中力を増していき、レースの本番さながらの表情で取り組んでいきます。
ついに目標達成を果たした時、普段はライバル同士のドライバーたちが互いに手を取り合い、喜びを分かち合っていました。その時に味わった感覚は、まさにチームが一体となった時の高揚感にも似た感覚そのものでした。
「今のワークで体感した、『目標達成に向けて心ひとつの状態』を強いチームは必ず作っています。ここで大事なポイントは、その状態は他の誰かが作ってくれるものではなく、みなさん自身が作り出せるものであるということです。」
ドライバーたちは、自分からチームに対してもっとプラスの影響を与えられることを学び、勉強会は終了しました。次回は「ドライバーとしてのメッセージ」をお伝えする予定です。
開催直前まで激しい雨が降り注いだ第10戦。雨は止んでいたものの、路面が濡れていることから、晴天用・雨天用のタイヤ選択がチームによって大きく分かれた。
Cクラスで唯一の雨天用タイヤを選択したマシュー・ホーソンはスタート直後の第1コーナーでコースアウト。また、ブラッドレーも同じ場所でスピンを喫したことから、すぐにセーフティーカーが導入される波乱の事態へと展開。
この時点でCクラスの上位陣は1番手から、関口、山内、蒲生、安田。Nクラスは野尻、千代、佐々木、三浦、中山の順でリスタートの時を待つ。
リスタートとなった3周目にはCクラス3番手の蒲生が2番手山内に襲い掛かり、両者が接触。蒲生のマシンには支障がなかったものの、山内はダメージを負い無念のリタイアを喫する。2番手に浮上した蒲生はその勢いを増し、4週目には1番手関口をパスしてトップに浮上。このまま蒲生の優勝かと思われたが、14周目に山内の接触の件で10秒のペナルティーストップが科せられ3番手にダウンしてしまう。
蒲生に代わり、1番手 安田、2番手 関口の順でチェッカーフラッグを受けた。
一方のNクラスでは、中盤から路面が乾き始めると、雨天用のタイヤを選択した4~6番手スタートの佐々木、千代、三浦は大幅にペースダウン。千代は、4周目にピットインしてタイヤを履きかえる判断をする。
晴天用タイヤを選択した1番手~3番手の野尻、中山、トンプソンの3台は安定した走りを見せる。中盤では野尻が中山とトンプソンに間合いを詰められる場面もあったが、落ち着いたレース運びで周回のベストタイムも記録し、トップのままチェッカーフラッグを受けた。2位には中山、3位にはトンプソン。雨天用タイヤのまま走り続けた佐々木、三浦が4位、5位。周回遅れとなったものの、終盤ファステストラップを争う好走を見せた千代は6位でフィニッシュした。
前日とは異なり、完全なドライコンディションでの開催となった第11戦。Cクラスでは、1番手の関口が珍しくスタートで出遅れた。これに対し、2番手 安田は第1コーナーで関口のインを突いて激しく競り合う展開に。しかしもつれ合ったこの2台を、鋭い加速で上回った山内がアウトからの見事なオーバーテイクで3位からの急浮上に成功。
トップに立った山内は、前日に喫した無念のリタイアの鬱憤を晴らすがごとく、序盤からハイペースでタイムを刻み、レース中盤で後続に11秒もの大差をつくりあげてフィニッシュ。2番手 安田、3番手はファイナルラップで蒲生をパスした関口だった。
シーズンランキング1位の安田が、ランキング2位の関口とのギャップを15ptに広げる形で岡山でのレースを終了。それでもCクラスのチャンピオンを決するのは、最終戦の地 仙台までもつれこむことになりそうだ。
一方、Nクラスでは三浦がマシントラブルでピットからのスタートとなった上に、1番手の野尻がスタートでエンジンストップを喫する波乱の幕開けとなった。
ここで2番手の佐々木がNクラストップに躍り出るかと思われたが、1コーナーで中山との接触が起こりバランスを崩してしまう。このためNクラストップに立ったのは中山。
これに佐々木、千代、トンプソン、野尻、三浦が続くことに。トップに立った中山は、佐々木の攻勢を受けながらもミスなく周回を重ねていく。
結局25周に渡って佐々木を封じた中山が今季3勝目をマーク。2位に佐々木が続き、3位には千代。予選でタイヤを傷め、第10戦と同じタイヤを履かざるを得なかったトンプソンは4位、野尻は5位、三浦は6位にとどまった。