8月6日、豪雨で大荒れとなった第8戦の終了後、
青木仁志を講師として、「3年後のステージを分かつ行動の選択」をテーマに第4回ドライバーズ勉強会が開催されました。
勉強会は、前々回、前回の復習からはじまりました。未来を描き、まずはそれを求めるということ。そのために、ドライビングテクニックや自身のメンタル・フィジカルの強化だけでなく、ファンやスポンサー、チームメンバーとの関係作りなども含めて努力する必要があるということ。スポンサーとの関係においては、距離感が非常に重要であり、レースに勝った時だけでなく、負けた時や、あるいはサーキットの外でどんな行動を取れるかが、距離感を縮めていくのだと学びました。これまでの復習を終えた青木は、ドライバーたちに質問を投げかけます。
「勉強会では、毎回みなさんに実行すべき行動リストを作成してもらいました。
今日は、それをどれくらい行動に移してこれたのかを整理するワークをやってみましょう。」
まず、ドライバーたちはテキストに『これまでやろうと考えたこと』を思いつく限り書きだしていきます。次に、書き出した行動を『出来たこと』と『出来なかったこと』に分類していきます。意外にもできていないことが多いことを目の当たりにするドライバーたち。
ワークを終えた後で、青木はドライバーに感想を聞いていきました。
「サーキットではしっかりとやるべきことをこなせますが、日常生活では、朝起きる時間が遅くなってしまったり、面倒なことを後回しにして、そのままやらずに終えてしまうことが多いです。」
「ドライバーになろうと心に決めてからは、自分の行動管理はしっかりとしてきたつもりでした。でも実際に紙に書き出してみると、まだまだ出来ていないことが多いのに気づかされます。」
そんなドライバー一人ひとりの声に耳を傾けた後で、青木はさらに講義を続けます。
「みなさんは、やるべきことは頭ではしっかりと理解できているはずです。
でも、理解しているのと実行できるのとでは大きく違います。人間とは本来楽な方に流されてしまうものです。だからこそ、『当たり前のことを特別に、熱心に、しかも徹底的に続けていく』ことが重要なのです。今、それを実行に移せるかどうかが、頭ひとつ飛び抜けるドライバーになるかどうかの分かれ道なのだと思います。」
ドライバーはこれまで実行できなかった行動一つひとつに、改めて期限を定め、勉強会は終了しました。
次回は、「全体で勝利を目指すためのリーダーシップ」をお伝えする予定です。
第8戦のレース開始15分前、穏やかな空はどんよりとした雲によって一気に包み込まれ、サーキットの場内放送では雷雲の接近が伝えられる異常事態となった。
スタート直後、それまでの小雨があっという間に雷鳴轟く豪雨に変わり、1周目でCクラス1番手関口、2番手安田、3番手山内など多くのマシンがスピンを喫し、2周目にしてレースは悪天候による中断が告げられた。
中断されるまでの順位は、Cクラスでは関口が一番手、悪天候ながら安定した走りを見せた蒲生が2番手、ブラッドレーが3番手。Nクラスは、スタート時に雨天用のタイヤを選択した野呂、石川が1-2番手、千代が途中でタイヤを履き替えながらも3番手につけた。
レース中断から1時間後、小康状態となった空の下レースが再開。
Cクラスでは前戦と同じく関口が後続をじりじりと引き離していく展開に。
中断前にスピンを喫した4番手安田がブラッドレーを抜き、3番手に浮上した以外は順位の変動はなく、関口 蒲生 安田の順にチェッカーを受けた。
Nクラスでは、Cクラスに食らいつく好走を見せて千代が独走優勝。2番手には最後尾スタートながらも怒涛の追い上げを見せた中山、3位には野尻がチェッカーを受けた。
昨日の荒れ模様とはうって変わり、快晴の空の下開催された第9戦。
Cクラスでは、1番手 関口に対して 2番手の安田がスタート直後から勝負を仕掛けていった。抜群の飛び出しを見せた安田は第1コーナーから第2コーナーまではほぼ関口と並走してみせたが、第3コーナーで関口にインを奪われ、惜しくもトップ浮上はならず。
そこから関口は1 周目にして安田に1秒3 の差をつけ、2周目にベストタイムを刻むなど序々に自身のぺースでレースを掌握していく展開に。後続のCクラスもそれぞれが単独走行となり、順位の変動はほとんどないまま関口、安田、山内の順にチェッカーを受けた。もてぎでの連続優勝を果たした関口は、第8,9戦で一挙に24ポイントを獲得し、Cクラス シーズンランキング4位から2位に浮上。ランキングトップの安田に11ポイント差まで詰め寄った。
一方N クラスでは、トンプソンが好スタートで1番手の千代をかわし、トップに浮上。
2番手に下がった千代は、3周目にトンプソンに攻勢を仕掛けるが、辛くもかわしきったトンプソン。その後は立場が逆転し、トンプソンがすこしずつ千代とのギャップを広げていく展開となった。
なんとか形勢逆転をねらいたい千代であったが、7周目にタイヤをロックさせ、まさかのコースアウト。なんとかレースに復帰したものの、ここで3番手中山に先行を許してしまう。
この後トップを快走するトンプソンの後方で、中山との攻防を続けた千代だったが、結局2番手を奪い返すことはできず。中山もトンプソンを追う力はなく、9 秒もの大差をつけて20 周を独走したトンプソンは、参戦2年目にしてうれしい初優勝を飾った。